
CROSS TALK03
国境を越え、
文化を越えて
「地域社会のタカラ」を体現する、
国際事業の舞台裏。
国際事業部 開発部 M.S. / Y.H.
日本国内で培ってきたマンション開発の知見と実績を礎に、タカラレーベンは持続的な成長を求めて東南アジアという巨大なマーケットへ踏み出した。文化、言語、商習慣。すべてが異なる異国の地で、「地域社会のタカラであれ。」というグループの長期ビジョンをいかにして形にするか。海外事業のプロフェッショナルとして中途入社したH。新卒から国内マンション営業の最前線を経て異動したS。世界を舞台にした、二人の挑戦について語ってもらった。
現地パートナー企業との「真剣勝負」。
プロジェクト始動までの折衝の舞台裏。
Y.H.は前職でインドネシアでのビジネスも経験、国際事業のスペシャリストとしてタカラレーベンに入社した。会社の国際事業を俯瞰して戦略を構築する立場にある彼の視点は、常にプロジェクトの「成功」と「リスクマネジメント」の絶妙なバランスにある。
Y.H. 「海外事業の成否は、その国を拠点に不動産事業を展開するパートナー選びで決まります。現地のマーケットを熟知する優秀な企業を厳選し、かつ面談を重ねて、感覚が合う会社を選考していきます」
しかし、そこからが本当の戦いだ。
Y.H. 「契約合意するまでの過程では、双方の共同事業となるため、お互いの譲れないところを細かく摺り合わせていくのですが、ビジネスの文化や法制度も違うわけですから簡単なことではありません。日本のやり方を持ち込みすぎると現地の習慣とズレてしまう可能性もあるので、基本は先方のスキームで進めつつも、我々のノウハウをうまく入れ、譲らず慎重に進めます」
互いが母国語ではない英語を使いながらのコミュニケーション。だからといって妥協も曖昧さも許されない。対立にはならないギリギリの線で、国際弁護士も交えながら緻密な折衝がつづく。
Y.H. 「初めてのパートナーと全くの0から交渉を始め、言葉の壁と文化の壁を乗り越えて相手から『Agree !(交渉成立だ!)』という言葉が出てきた瞬間。これはいつも忘れられない思い出ですね。あぁやっとこれで進められる、ようやくスタートラインに立てる!と大きな達成感を感じます」
日本の「常識」が通用しない、
ゼロからのマーケット戦略。
現地パートナー企業が決まると、いよいよ事業開始だ。タイでは、2019年入社で開発課に所属するSがメイン担当としてプロジェクトを率いる。学生時代に交換留学の経験があり、国際的な仕事に興味があったという彼女。入社から4年間は国内マンションの営業として奮闘し多くの経験を積んだが、国際事業部に異動となった彼女を待ち受けていたのは、日本のマンション販売では思いもよらなかったような「文化と制度の違い」だった。
M.S. 「私は、具体的な販売戦略の提案や新規プロジェクトの調査などに携わっています。言語、商慣習も含め文化の違いにはいつも驚かされますが、いちばん日本と大きく違うと感じたのが、圧倒的なキャンセル率の高さ。タイはコロナ禍以降、社会問題にもなっていますが、家計債務の比率が非常に高く、住宅ローンを申請しても実に約半分の顧客が審査に落ちてしまうんです。購入申込を獲得しても、あとから解約されて、思うように進捗しないことが多々ありました。タイは東南アジアの中では経済成長しているほうですが、他の国に比べて借金に対する抵抗が少ないようで、意外なところに難しさがありました」
コミッション率に関する考え方も異なるようだ。日本では販売委託の手数料が決まっているが、タイでは手数料を自分で決められるので、高く売ったらその分は自分の取り分にできるのだという。
M.S. 「タイには日本みたいな宅建業法がなく、個人でも自由に仲介業ができてしまう。ほかのアジアの国でも、法整備されてはいても、手数料はフィックスされているわけではなかったりする。販売促進の面でも日本とは違うマネジメントが必要なんです」


生活習慣の違いがマンションの
カタチを変える
日本では、品質管理や施工工程管理も含めゼネコンへ一括発注するのが一般的だが、東南アジアではゼネコンを介さずデベロッパーが施工業者を直接管理することが多いため、デベロッパーの職域は、より広範になるのも特徴だという。
Y.H. 「施工に関しても単純に日本の品質管理基準を入れてしまうと価格が非常に高くなるので、現地の基準や習慣に合ったプランで作ってもらうようにしています」
M.S. 「間取りや設備も現地の暮らしやニーズから発想したマンションが作られます。たとえばタイではいわゆる玄関スペースがありません。下駄箱の概念がないので扉を入るとすぐにリビングがある。またマンションは単身やディンクス(DINKS=共働きで子どものいない夫婦)で住むのがメインなので、20㎡、30㎡程度のコンパクトな間取りが多くなります。逆に高級な物件であればお手伝いさんがいることが前提でキッチンが外に設置されることもあり、日本ではあまり見られない特殊なケースもあります」
これからも海外という大きなフィールドで、
地域社会のタカラに。
日本国内では、長い歴史と数多くの実績を重ねる企業でありながら、ベンチャーのような挑戦の気概が強いとされるタカラレーベン。国際的なフィールドではどうなのだろうか。
Y.H. 「国際事業部は必然的にベンチャー気質ですね(笑)。国内不動産市場はある程度ルールや商習慣が確立されていますが、海外では白紙の状態から、どう利益を生むのか、現地社員を雇用する際にも、現地の労働基準法などを鑑みて一からバックオフィス体制を作り上げます。その分、自らが動いていかないと何も進まないですし、その分、自らの考えが組織に反映していきますので、責任は重大です」
Y.H. 「現在は東南アジア3ヶ国を中心に事業を展開しています。日本に比べて市場の変化が激しく、時には政情不安などのリスクも伴うため、今後は複数の国への分散投資を行い、より安定したポートフォリオを構築していく方針です。新規の開拓は非常に苦労が多いですが、それを乗り越えたときの経験は将来にかならず活きていきます。私自身も新しい投資国に興味がありますので、楽しみしかないですね」
M.S. 「私個人的には、ここまで国際事業部でマンションやコンドミニアムなど住宅の領域で開発を進めてこられたので、今後は住宅以外のアセット、たとえば収益マンションやホテルなどにも新規にチャレンジしてみたいですね。あるいは営業の経験も活かして、海外の顧客に日本国内の物件を提案することで、自分の存在意義を高めていきたいと思います」
現在、国際事業部のスタッフは11人。「地域社会のタカラであれ。」という長期ビジョンは、この二人の情熱に象徴されるように、国境を越えた確かな物語として動き出している。
※記載内容は2025年12月時点のものです。